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#教員1年目の君へ

教員1年目の君へ

初めまして。小学校教員をしている一児の母、鈴木恵と申します。広島県呉市出身、大阪市立小学校で8年勤務し、第一子を出産。3年間の育休を経て、現在は静岡市立小学校で働いています。この文章は、これから教員生活が始まる「あなた」の、何かの助けになる事を願って書きます。

 

「なりたい自分」

就活の時期、どんな自分になりたいか考えるとお母さんになりたいでした。具体的には3つ「子供のことをよく理解しているお母さん」「経験が豊富で器の広いお母さん」「子供が習い事をしたいといったら、いいよといえる経済力のあるお母さん」沢山のお母さんと出会い、子育てに関われる職業は、小学校の先生だと考えました。大学の学部は書道芸術でしたので、教育学部にコースを変え教員免許を取りました。

 

「現場の最前線」

苦手な言語が並んだ文章に会議の山、インプットが足りないのに毎日がアウトプットの授業。始業式が始まって一週間、睡眠時間が極端に減り、ご飯の味を感じられない自分に気が付きました。「このままのやり方を続けていたら死ぬ。自分に合ったやり方に変えよう」と決めました。

 

「私のやり方」

気になるビジネス書を片っ端から読み漁りました。毎日がわからん事だらけ、解決したいことだらけ。自分のペースで学べる読書で世界が広がり、授業や生徒との関係に手ごたえを感じたので、読書は欠かせませんでした。

私は人と話をすると、何かとテンションが上がりやる気が出ます。職場や異業種の方との飲み会で、勤務後の予定は埋まりました。また、言語や文字優位の学校世界に一日身を置いていると、息が止まったような感覚を覚えました。自分の心を動かす「ダンス・芸術・旅」人生を豊かにしてくれるものに時間を割き、心を保つようにしました。

 

「大阪で働く醍醐味」

「かまへんかまへん、ありがとうはいらんから、次の困ってる人にお返ししーや」

「そんなんで凹んでんの!うちのもっとおもろい失敗話聞く?」

「1に自分の体、2に家族、3に仕事のスタンスで働きや。自分の好きなこと得意なことでチャレンジするんやで。何かあったら責任とったるから。」

「君が代・日の丸とか知らん世代なんかぁ、ほな一緒に今から勉強しよか。」

無知でアホな私は、人間味があふれ、明るくチームで支える精神を持った大阪の先生に育ててもらいました。人の痛みを自分事にとらえて行動できる職場の方々を、心の底から尊敬し、絶対自分もそんな人間になるんだと、決意しました。

 

「あなたを苦しめる正体」

「学力格差・長時間労働・貧困」などあらゆる社会問題が、否応なく降りかかってくる現実を目の当たりにし、そこで出てくる問題の一つ一つに体当たりで臨んでいると、「なんでこんな悲しい世の中になってるんだ」と、怒りともあいまって途方もなく無力感を感じ、この仕事をしている意味を疑う日が来るかもしれません。

私は娘と出会えたことで、この化け物に対して無知・無関心・行動しない・自分だったことが恥ずかしく、情けなくなりました。自分が精いっぱい戦っているモンスターの正体は?そのために何ができる?という視点を持つと、目の前にいる子供たちが今からモンスターを倒す頼もしい同士に見えてくるので不思議な感覚です。

 

「ミライをつくる君へ」

あなた(教師という役割)に向けられる言葉や、役割に苦しくなる時、弱音や怒りを受け止

めてくれる人がもし周りにいなかったら、どうかあなたの抱える大変なことを、少し先輩の私にも責任を背負わせてほしい。嬉しさは二倍、悲しみは半分、っていうやつです。

今でも正直いえば「なんで○○じゃないんだ、もっと○○だったらいいのに」となる自分がいます。けど、そんな「棚から牡丹餅、古い固定概念のシンデレラ発想」お母さんになっている自分は、娘にとってオワコンで寒気がするので、「さあ、今日も死なん程度に働くかあ!」という気持ちで現場に向かってます。私が新任だった12年前とは明らかに時代のスピードが変化し、もっと社会的課題は大きく複雑になっていると感じます。実りの多い学生時代に、コロナで奪われたもの、得たものの最前線にいる「あなた」から私は学びたい。そして、現場で一番子どもたちと近い感覚を持ったあなたと、一緒にワクワクする末来を作りたい。